乳腺外科

いつきブレストクリニック

金沢市直江にある女性の乳腺に特化したクリニックです

乳房検査について

マンモグラフィ(乳房X線撮影)検査

乳房全体の状態を把握するのに適している検査であり、乳がん検診でマンモグラフィを行うことで生存率の向上が証明されています。
検査は、圧迫板で乳房を挟み、薄くのばして撮影します。しっかりとのばし、固定することで乳腺の重なりを減らし、より鮮明で診断に有用な写真を撮ることができます。また、被ばくの低減にもつながります。
触診ではわからない小さなしこりや石灰化などを発見するために行います。腫瘤は白く写りますが、がんだけでなく、良性の病変や乳腺実質も白く写ることがあり、エコー(超音波)検査を併せて行うことで病変の見逃しが少なくなります。

検査の流れ

① お着替え

上半身は下着を含め全て脱いでいただきます。
(上下別々のお洋服を着られることをオススメします)

髪の長い方はしばっていただくようお願いすることがあります。
(髪ゴムの用意あります)

制汗剤やボディクリームを塗っている方は拭き取っていただきます。

眼鏡やネックレスは外していただきます。

※以下の項目に当てはまる方はスタッフにお知らせください

乳がんの手術をしたことがある
ペースメーカーを入れている
豊胸手術をしたことがある
中心静脈(CV)ポート、シャントの手術をしたことがある
妊娠中、授乳中である

② 検査

・左右片方ずつ撮影を行います。

・乳房を斜め横から挟む方向(MLO撮影)

・乳房を上下から挟む方向(CC撮影)のの2方向を主に行います。
※必要に応じて3D撮影を同時に行います。
※自治体検診では、自治体や年齢によって撮影枚数が異なり、1方向(MLO撮影)のみの場合があります。

・圧迫する時間は2Dの場合、数秒程度です。(3Dの場合、30秒程度)

・体に力が入ると、圧迫時に強い痛みを感じたり、圧迫を十分に行うことができなくなりますので、できる限りリラックスして検査を受けてください。

・何か気になることがありましたら、検査担当者に申し出てください。

・マンモグラフィのみの検査時間は、お着替え含め10〜15分程度です。
また、混雑状況により時間がかかる場合がございます。ご了承ください。

トモシンセシス (3Dマンモグラフィ)

・通常のマンモグラフィ撮影と同様の体勢のまま、マンモグラフィのX線装置を円弧状に動かしながら数回、撮影を行います。
パラパラ漫画のような写真を作ることができるため、乳腺の重なりを分離して乳房内を観察することができます。

・1回の圧迫で2D(通常のマンモグラフィ)と3D(トモシンセシス)の撮影を同時に行うため、何度も圧迫する必要はありません。
1回の撮影時間は約30秒程度です。

・乳腺と同様にしこりが白く写ることがあるため、乳腺が多い方(デンスブレスト)は2Dだけではわかりにくいことがあり、3Dを併せて行うことで病変の見逃しが少なくなります。

2D(通常のマンモグラフィ)

乳腺なのか病変なのか、重なってわかりにくいです
2D

3D(トモシンセシス)

3D
病変(しこり)が浮き出るように見えます
3D
3D

高濃度乳腺(デンスブレスト)とは

乳房内の乳腺組織の量と分布(脂肪の混在する程度)から判定されるもので、乳腺組織が多い状態を「高濃度乳腺(デンスブレスト)」といいます。
(一般的に乳腺の量は加齢とともに少なくなっていきます。)
乳房の構成は以下の4つに分類され、病変が正常乳腺に隠されてしまう危険性の程度を示します。
・脂肪性
・乳腺散在
・不均一高濃度
・極めて高濃度
高濃度乳腺(デンスブレスト)は、「不均一高濃度」と「極めて高濃度」を指します。

脂肪性

脂肪性

乳腺散在

乳腺散在

不均一高濃度

不均一
高濃度

極めて高濃度

極めて
高濃度

高濃度乳腺(デンスブレスト)の方は乳腺と同様に病変(しこりなど)も白く写ることがあるため、病変が見つかりにくくなります。その場合はエコー検査や3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)の併用をオススメしています。

マンモグラフィの痛みが耐えられない、怖いという方へ

最近のマンモグラフィは痛みが少なくなるように設計されており、以前の検査に比べると痛みが少なくなっています。マンモグラフィ検査を「痛いから受けたくない」「怖い」という方は、一度ご相談ください。痛みがないエコー(超音波)検査も可能ですので、ご案内させていただきます。患者様が納得し、安心して検査を受けられるような診療を目指します。

エコー(超音波)検査

乳房にゼリーを付け、プローブという小さな機械を当て、乳房内を観察します。超音波を用いる検査のため、放射線による被ばくはありません。超音波とは、人の耳では聴くことができない高い周波数の音波です。超音波が乳房組織などに当たってはね返った反射を画像に表します。身体に無害であり、痛みはありません。また、乳腺は白く写るのに対し、病変は黒く写ることが多いため、乳腺が多い乳房であっても観察しやすい検査です。また、マンモグラフィでわかりにくい病変がエコーでみつかることがあります。

この症状ではマンモグラフィでは病変(しこり)の特定は難しいです。

CC(上下に挟む方向

CC(上下に挟む方向)

MLO(斜め横に挟む方向)

MLO(斜め横に挟む方向)

CCの赤丸部分をエコーで見てみると・・・

CCの赤丸部分をエコーで見てみると・・・

白い乳腺の中に黒くはっきりと病変が写っています。

白い乳腺の中に黒くはっきりと病変が写っています。

検査の流れ

1.上半身のお洋服は下着を含め全て脱いでいただきます。

2.検査台に仰向けに寝て両腕を挙上して楽に検査を受けてください。

3.検査にかかる時間は10~20分程です。
混雑状況により時間がかかる場合がありますが、ご了承ください。

※何か気になることがありましたら、検査担当者に申し出てください。

マンモグラフィ検査とエコー検査の違い

マンモグラフィ エコー
利点
・全体像の把握

・乳房構造の乱れの把握

・石灰化が描出されやすい

・検査時間が短い
・乳腺が多い乳房でもしこりを発見しやすい

・痛みがない

・しこりの中身を観察することができる

・被ばくがない
欠点
・乳腺が多い乳房は重なりで病変の判別が難しい

・痛みを伴う

・しこりの中身がわからない

・被ばくがある
・局所的な観察で、全体像はわからない

・石灰化が見えにくい

・マンモグラフィに比べて検査時間が長い

診察時に症状や乳房の状態に合った検査をご提案させていただきますので、迷った際にはご相談ください。